“海に行かないプラスチック”のデザインとは?
Vol.14|“海に行かないプラスチック”のデザインとは? — Designing Out Waste: Rethinking How Things Begin — 海に出るたびに、私は波のあいだを漂う小さなペットボトルを見かけます。 拾い上げながら思うのは、「どうすれば、そもそもここに来ないようにできるのだろう」ということです。 リサイクルや清掃活動ももちろん大切です。 けれど、それらは“起きてしまった後”の対応にすぎません。 本当の問いはもっと手前――設計の段階で、流れ出さない仕組みをつくれるかどうかです。 1|流れ出すようにつくられた社会 プラスチックが海にたどり着くまでには、いくつもの経路があります。 川や街路からの流出、輸送途中のロス、観光地での放置。 しかし根底にあるのは、社会全体が「流れ出すようにできている」という構造です。 使い終わったあとの行方を誰も想定せず、責任の所在が曖昧なまま、 便利さと低コストを最優先に設計されてきた。 その結果、使うたびに少しずつ“余剰”が外へと押し出されています。 かつて「ごみ」は“捨てる人”の問題として語られてきました。
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